初期の就職氷河期世代は、第2次ベビーブームの時に生まれた人たちです。つまり、人数が多いのにバブル崩壊で採用を大きく絞った事で、就職難を引き起こして非正規雇用を余儀なくされた方が多くいます。こういった、就労機会逸失者を早く救済するべきでしたが、政府は見向きもしようとせずに放置し続けました。そして、彼らが40代後半になってから、ようやく動き出したというわけです。手を打つのが、あまりにも遅過ぎます。
遅くとも、彼らが30代前半の時に行うべきでした。その時は、2000年代前半でリーマンショック前だったので、絶好の機会だったはずです。しかし、政府や就労関連は何一つ動きませんでした。それどころか、若い人にばかり目を向けて彼らを置き去りにしたのです。その結果、納税できるだけの収入を得られず貧困生活を余儀なくされ続けました。こうして、スキルを身に付ける機会を奪われたまま、40代を迎えたのです。
40代や50代ともなると、体は硬直しますし脳も衰え始めます。若い時にスキルを積めたのであるなら、40代や50代になっても充実した人生を送れますが、その機会すら奪われた多くの就職氷河期世代の人たちは、転職もままならず体力的にも精神的にも消耗するのです。ここまで来て、やっと手を差し伸べても遅きに失したとしか言えません。
そして2030年頃になると、就職氷河期世代が還暦を迎えます。そうなると、仕事が無く年金が貰えず役所役場に生活保護申請者が殺到する事になるでしょう。この状況になっても、役所役場はノンキにも「まだ働ける」と言いますが、身体や精神を酷使してボロボロになった中高年を何処が受け入れると言うのでしょうか。応募しても書類で門前払いされ続け、心身衰弱しているにもかかわらず、尚も彼らに罵詈雑言を浴びせるのでしょうか。それに、生活保護受給者の半数以上は60代以上の高齢者です。まさに、社会保障の一大事の到来です。
これは、「思っている」とか「感じている」とかいう生易しく甘ったるい事ではありません。断言しても言い過ぎない、むしろ言い足りない程の事なのです。これこそが「事実」であり「現実」であり「真実」「真理」なのです。良いとか悪いとかの問題ではなく、これ以外に語りようが無く、疑う余地の全く無い「黄金則」に他ならないのです。