ふるさと納税が始まって、久しい話ではありますが、小生としては到底納得できない制度であると考えます。
誤解の無いように言うと、ふるさとに寄付金を出すことが悪いと言っているのではありません。寄付金を出すなら、その地域に貢献することになりますし、それによって発展するのであるなら歓迎するべきであります。
では、ふるさと納税の何が問題かと言われると、「現住地の行政サービスに対するタダ乗り」を助長している事にあります。これについては、以下の記事を参照願います。
どういうことかと言えば、ふるさとに税金という形で寄付して返礼品を受け取る代わりに現住地の税金を免れ住民税を減らすという、納税者にとって旨味がある反面、現住地の自治体に負担がかかるという極めてオカシナ制度であるというわけです。
そもそも、現住地の行政サービスは何によって支えられているのでしょうか。それは、現住地に収められる税金で支えられています。つまり、現住地の税金が無ければ、当たり前に存在する行政サービスが提供できなくなるのは当然であります。もちろん、非課税レベルの低所得や生活保護のために払えないなら、仕方がありません。問題なのは、納税できる金があるのに払わないことです。
例外的に、育ててくれた地方への恩返しのように、最もな理由のある場合は、許容しても良いでしょう。しかし、大半は返礼品欲しさで行っており、それによって現住地の行政サービスを現住地に納税した方々と同じように享受するというのが許されない、ということであります。それが当たり前になると、行政サービスの縮小につながりかねません。
行政サービスの縮小と聞いて、ピンとこない方もいるでしょう。行政サービスを数例挙げるなら、「ゴミを出す事」、「図書館を利用する事」、「福祉サービスを利用する事」等です。とにかく、暮らしの中に根ざしていることが多く、無くなってしまえば生活に支障をきたす事ばかりです。現住地の自治体に負担をかけながら、彼らの原資となる税金を払い惜しむことが許されて良いのでしょうか。これこそが、行政サービスのタダ乗りに他なりません。それを許容すれば、地域の治安や衛生等が崩壊することになります。そうなれば、地域の荒廃につながり、自治体の運営が破綻してしまいます。
では、ふるさと納税を行いながら行政サービスの公平な享受を実現させるには、どうすれば良いのでしょうか。小生としては、ふるさと納税をされる方には現住地の行政サービスに制限を設けるべきだと考えます。
例えば、ゴミを出す場合は別料金で出せるようにする、図書館等の公共の施設の利用は有料にする、役所等の手続きには割増手数料をかける、福祉サービスの利用は追加料金を徴収するといった具合に、負担分に応じた「サービス利用料」として支払ってもらうというわけです。とにかく、フリーライドを封じる政策を行うべきです。
それが嫌なら、納税先であるふるさとに移住すれば良いだけです。現に、ふるさと納税を行っている自治体は、大抵が移住サポートも行っています。都心は物価が高いからと言いますが、地方や田舎でも物価はさほど安くはありませんし、むしろ物流コストで高くなっているほどです。
自分は負担をしないのに、サービスは当たり前のように享受する、そんな虫の良い事は絶対に許されないし許してはならないのです。
これは、「思っている」とか「感じている」とかいう生易しく甘ったるい事ではありません。断言しても言い過ぎない、むしろ言い足りない程の事なのです。これこそが「事実」であり「現実」であり「真実」「真理」なのです。良いとか悪いとかの問題ではなく、これ以外に語りようが無く、疑う余地の全く無い「黄金則」に他ならないのです。